どのような業界の仕事でも、未経験からの転職となるとハードルが高くなりがちです。たとえ『未経験OK』となっている求人であっても、いざ面接となると経歴や経験について質問されますし、「なぜ未経験なのにこの業界(または職種)に転職しようと思ったの?」と掘り下げるように聞かれます。
それは人材の流動性が激しいWeb業界でも同様で、「未経験者OK」となっている求人の面接でもWeb関連の経験について質問を受けます。中途採用を募集している企業としても、本音を言うと未経験者を一から育てるよりも経験者を採用した方が負担も小さく即戦力として期待できるので、応募者の経験は当然気になるものです。
未経験でも「この人なら大丈夫だろう!」と納得させることができれば採用に至ることもありますが、そこで活かせるのがブログ運営の経験です。
実はブログ運営にはWeb業界で実際に活かせるものが非常に多く、未経験からWeb業界への転職にとても有利に働きます。特にWebディレクターやWebマーケティングの仕事への転職に役立ちます。
この記事では、なぜブログ運営がWeb業界への転職に有利に働くのかを解説していきます。
ブログ運営でWeb業界への転職が有利になる理由
Webサイトの基本が学べる
ブログを構築したり、編集するだけでWebサイトの基本的な部分を学ぶことができます。
ブログを立ち上げる際にドメインを取得してサーバーを契約するといった作業が発生しますが、その中でドメインとサーバーの関係を学ぶことができます。
またHTMLやCSSといったWebサイトを構成する言語に触れることで、簡単なコーディングの知識が身についたり、Webで表現できることやデザインについて理解が深まります。
ちなみにHTML・CSSについては、コーダーやデザイナー志望であれば素書きできるレベルが求められます。一方でWebディレクターやWebマーケターであれば、ソースを見て修正箇所を指摘したり、修正だけ自分で行えるレベルのスキルでOKです!
Web解析ツールの使い方・見方が身につく
Webサイトのアクセス数や検索順位を分析するツールの設定方法や使い方、見方が身につきます。
Googleが無料で提供しているアクセス解析ツール『Google Analytics』や、Googleの検索順位を確認できるツール『Google Search Console』といった分析ツールは、もはや全てのWeb制作会社やWebサービス提供会社が導入していると言っても過言ではありません。
解析ツールを見て「なぜアクセス数が増えないのか」とか「検索順位が上がらないのか」を分析し、ライバルサイトと比較しながら自分のブログに何が足りないのか改善方法を考えていくことで、データに基づいたブログ運営ができるようになります。
比較的Web業界未経験者でも転職しやすいWebディレクターやWebマーケティングの仕事は、アクセスや検索順位の解析ツールを用いてクライアントにWebサイトの改善提案を行うことが多々あるので、解析ツールの使い方や見方を身につけることで間違いなくWeb業界への転職へプラスに働きます。
SEOに強いWebサイトの構成方法やコンテンツのライティングの手法が学べる
Web集客のためにSEO対策を意識したブログ記事を更新していくことで、Webサイトの構成方法やコンテンツライティングの手法が学べます。
Google検索の上位に表示させられると当然アクセス数が稼ぎやすいのですが、上位に表示されるにはSEO(Search Engine Optimization)対策をする必要があります。日本語で書くと「検索エンジン最適化」ですが、つまりGoogle検索の上位に表示させるためには、Webサイトの内容をGoogleの好みに最適化するのです。
実際にブログを運営してみることで、どのようなブログ記事が検索結果の上位に表示されたり表示されなかったりを分析できます。また上位表示させたいキーワードで現在上位に表示されている記事と、自分がライティングした記事を比較することで、上位表示に必要なコンテンツの内容が見えてきます。
ブログ記事でSEO対策をしていくことで、上位化に必要なWebサイトの構成方法やコンテンツライティングの手法が学べるのは非常に有益です。またクライアントにWebサイトの新規コンテンツ追加の提案をする際にも活用できるスキルとなります。
Webマーケティングの知識が得られる
ブログへの集客方法を考えて実践していくことで、Webマーケティングの知識が得られます。
SEO対策による検索エンジンから流入獲得を狙うのもWebマーケティングの一手法ですが、SNSでフォロワーを獲得してブログへ流入を促す方法もあります。SNSのフォロワーの増やし方やブログへのアクセスに繋げる方法は、大きなアピールポイントになります。
流入数が増えてきたら、アフィリエイトで報酬獲得を狙うのもありです。実際に報酬を獲得するための手法は、企業側としても必ず気になるポイントです。集客から売上獲得までのWebマーケティングの流れを身につけることができるので、Web業界の現場でも実際に使える知識や技術が得られます。
ブログ運営を転職に活かした実例
実例と言っても私の体験談になります。
私は元々Webとは無関係な業界で営業職として働いていましたが、未経験の状況から以下のようにブログの運営経験を活かして転職を決めることができました。
転職理由や志望動機で活用
そもそも私がWeb業界に転職するきっかけとなったのは、ブログを運営していく中で「これ、仕事になるのでは?」と思ったことでした。
未経験の仕事への転職となると、だいたいの確率で「なぜ未経験の仕事に転職しようと思ったのか」と聞かれます。完全に未経験の場合、転職理由を聞かれた際にどうしても地に足つかないものになりがちです。
しかしブログを運営することで、Webに関する知識や技術を身につけることができます。趣味とは言え日々Webに触れていく中で、「ブログ運営の経験を活かせる仕事に転職してみた」と考えるようになりました。
上記のことを率直に志望動機に交えて熱弁すると、だいたいどの企業もすんなりと納得してくれました。
解析ツールを活用したブログ改善の経験をアピール
『Google Analytics』や『Google Search Console』といった分析ツールは、どのWeb制作会社やWebサービス会社でも導入しています。
そしてこれらの解析ツールから得られるデータはWebサイトの状況を分析したり改善することに用いられますが、業界未経験者がブログ運営でそのような経験をアピールすると良い意味で企業側にかなり驚かれます。
データを用いた改善案を提示できるWebディレクターやWebマーケターはWeb制作会社・Webサービス会社どちらでもかなり重宝されるので、未経験者であっても高く評価してもらえると思います。
ブログ運営で身につけたSEO対策の知識をアピール
SEO対策はWebマーケティングにおいて集客力が非常に強く、また費用がかかりません。そのためSEO対策の知識がある人材は、あらゆるWeb制作会社やWebサービス提供会社から重宝されます。
私の場合は採用面接の場で上位表示させたことのあるキーワードを実際に伝えて証拠を提示したり、どのような理由で上位表示に成功できているか考えを整理して伝えることで、SEO対策に関する知識をアピールしてきました。
Web制作会社にはWeb制作のことは理解していても、SEOについては言葉やその意味だけ何となく知っているだけで、具体的にどのように対策すればよいか理解できていない人が多いのが実情です。自分自身でSEO対策に取り組み知見を蓄えてきたことは、転職活動の場で強いアピールポイントになります。
面接中にいきなり「実績を提示してほしい」と聞かれることがありますが、その際はスマホやPCでブログと解析ツールを見せればOKです。論より証拠ってやつですね!
おすすめのブログサービス
ブログ運営はWeb業界に必要なことをかなり学ぶことができると解説してきました。ここまで読んでいただいた方の中には、「よし!ブログ始めてみよう!」と思ってくれた方もいるのではないでしょうか。
そこで、最後に私がおすすめするブログサービスと、その理由についてまとめました。
おすすめは『WordPress』
ブログサービスも様々なものがありますが、圧倒的におすすめなのが『WordPress』です。
WordPressをおすすめする理由は、実際のWeb制作会社でも使用されているからです。世界の全Webサイトのうち、なんと40%以上がWordPressを用いて制作されています。
※参考:40% of the web uses WordPress (英語のページに飛びます)
もちろん日本国内でも広く使われています。私が過去に勤めていたWeb制作会社でもWordPressでWebサイトを作り、クライアントに納品していました。
プロも使っているので難しそうと感じるかもしれませんが、実際はWeb初心者でも使用している方も多く、簡単に扱えるからこそ全Webサイトの40%ものシェアを獲得できたと言えます。
プロの現場でも使われるWordPressでブログを運営することは非常に有益で、Web業界への転職活動時にアピールポイントにもなります。今からブログを始めようと考えている方は、是非WordPressでブログ運営を始めてみてください!
WordPressでブログを立ち上げる方法を解説した記事もございますので、これからブログを始めようと考えている方は是非参考にしていただければと思います。
ConoHa WINGでブログを開設する方法を解説。これでWordPressのスタートは問題なし!
これからWordPressでブログを解説を考えているあなたに、ConoHa WINGでブログを開設するまでの流れを解説していきます。サーバーをお得にレンタル…
とっつきやすさなら『はてなブログ』
始めやすさを優先するなら、はてなブログもおすすめです。WordPressよりもできることは少ないですが、WordPress以上に簡単に始められるのが大きな魅力です。
HTMLやCSSを使って自分自身でデザインを弄ることも可能で、WordPressを除いた他のブログサービスと比較しても自由度も高いのがはてなブログの良さだと思います。
また無料でスタートできるところもとっつきやすいポイントですが、無料プランは何かと成約が多いため、デザインを弄ったり収益化することを求めると、結局有料プランの『はてなブログPro』に落ち着くと思います。ちなみにランニングコストがWordPressよりも安く済むので、少しでも予算を抑えてブログ運営を始められる点でも、始めやすいブログサービスだと言えます。
WordPress以外でブログを始めるなら、はてなブログをおすすめします。
こんなブログは転職で有利にならない?
ブログ運営がWeb業界への転職に有利になることを説明してきましたが、しかしどんなブログでも転職で必ず有利になるわけではありません。
例えばただの日記ブログでは、転職市場やWeb業界において何もアピールポイントになりません。
転職で有利になるブログとは、以下のことを意識して運営しているブログになります。
- 有益なコンテンツを作成して情報発信している
- Webマーケティングを意識した記事を投稿している
- 分析ツールを活用した改善や修正が行われている
決して簡単ではありません。しかしブログ運営で身につけた技術は、Web業界でも必ず活かせます。
ブログ運営を続けるモチベーションにもなるので、アフィリエイトによる収益化は是非やっていただきたいと思います。趣味でも仕事でも、やはりお金が稼げるのはやる気に直結しますよ!
ブログ運営で転職が有利になるアピールポイントまとめ
最後に、ブログ運営で身につくスキルの中で、Web業界への転職が有利になるものをまとめて紹介します。
- ドメインやサーバーについての知識
- HTML・CSSといったコーディングの知識
- 分析・解析ツールが使える
- SEOの知識
- SEOに強いWebサイトの構成
- コンテンツライティング
- Webマーケティングの知識
- WordPressの知識
これらのスキルをブログ運営で身につけることで、業界未経験でもWebディレクターやWebマーケターといった仕事に転職することが可能です。
「Web業界に興味があるけど実績が何も無い…」という方は、まずはWordPressでブログ運営を始めてみることをおすすめします。ブログ運営を続けることができれば、Web業界で活かせるスキルが必ず身につくはずです。
また現在既にWeb集客を意識したブログを運営している方は、是非ブログ運営の経験を活かしてWeb業界に転職してみてはいかがでしょうか。
ブログの経験を活かして転職するならDODAがおすすめ
最後に、ブログの経験を活かして転職した私がおすすめする転職サイト『doda』を紹介したいと思います。
dodaをおすすめする理由としては、転職エージェントサービスが非常に優れているからです。dodaに登録すると転職市場に精通したエージェントが必ず一人担当についてくれて、以下のことを完全無料で行ってくれます。
- ヒアリングや希望に沿った非公開求人の紹介
- 履歴書や職務経歴書等の添削
- 選考の日程調整等を代行
- 面接対策のアドバイス
転職エージェントは初めて転職活動に臨む人にとってはとても心強い存在です。また働きながら転職活動をする人にとって様々なことを代行してくれるので非常に助かります。
「ブログ運営がきっかけで転職を考え始めた」という気持ちに対しても真剣に向き合ってくれますし、またブログで培ってきた技術が活かせる求人も紹介してくれます。
もちろん業界未経験であることも踏まえて様々な求人を紹介してくれますので、もしブログがきっかけでWeb業界に転職しようと検討中の方は、是非dodaに登録してみてください!